[越中島]企画展示「船が育んだ江戸(2)」開催報告

2018年11月22日から2019年2月16日まで、越中島キャンパスにおいて、
第10回企画展示「船が育んだ江戸(2) 川 -河川・運河・河岸-」と、
期間中の2018年12月1日に講演会を開催しました。

【展示期間】 2018年11月22日(木)~2019年2月16日(土)

                 ※火・木曜、第1及び第3土曜日開館(延べ32日)
【会場】 明治丸記念館
【来場者数】 811名

【概要】
本展示は、水運(海事交通)の観点から、百万都市江戸の誕生と成長の姿を
紹介するものです。
「海」「川」「船」「恵み」という4つのテーマを設け、2017~2020年度にかけて、
毎年1つのテーマを掘り下げていきます。

2年目である2018年度のテーマは「川」です。
江戸を百万都市へと発展させた河川の利用と制御、運河開削による物資の流通、
水産卸売市場の原点でもあった河岸の機能について、紹介・解説しました。

【内容】
4名の研究者による解説パネルと、和本・錦絵・古地図・古写真などの資料を
中心に展示を行ないました。

当館所蔵の和本『利根川図志』『繪本江戸土産』『江戸名所圖繪』に描かれた
葛飾北斎や歌川廣重による挿絵や、美しい錦絵などにより、往時の利根川、
江戸の情景をご覧いただきました。
あわせて、明治時代の古写真で日本橋魚河岸の景観を紹介しました。

また、測量術書『量地指南』『量地弧度算法』、算額(神社や仏閣に奉納した
和算の絵馬・複製) を展示しました。
測量には高度な数学の知識が不可欠ですが、算額からは、江戸時代に既に
その知識があったことを窺い知ることができます。
数学史家・小寺裕氏による、算額解説リーフレットには、 多くの方が関心を寄せ
たいへん好評でした。

今回の展示を通して、江戸水運の礎を築いた土木や都市計画の技術水準の
高さをお伝えすることができました。

【会場の様子】

     展示会場               展示資料と解説パネル       開催中の様子

来館者の声(アンケートより)】
  • 明治~昭和初期にかけての水運事情を知りたくなりました。(男性・50代)
  • 先日小名木川を歩き江戸の川のつながりに興味をもっていたのでまとまりが
    つきました。(女性・70代)
  • 江戸時代の利根川東遷、荒川西遷など時系列で説明があり、良い展示を企画
    されたと思います。(男性・70代)
  • 存在する少ない資料を駆使して分かり易く丁寧に説明されており、江戸時代の
    関東の河舟と舟運、江戸の河岸とのつながりが良く理解できた。(男性・60代)
【関連ページ/ファイル】

講演会「船が育んだ江戸(2)川-河川・運河・河岸-」開催報告
企画展示「船が育んだ江戸(2)」開催案内