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宇田道隆 昭和41年(1966年) 日記 東京水産大学教授 60-61歳
1月1日(土) 朝気温-4℃ 無風快晴 凍て強く霜柱 青山よく見ゆ。 犬を曳いて街灯消す。手かじける位寒い。日の丸旗、目に鮮やか。 初刷紙、年賀状。墨書 返事70枚で終日。 旧蠟働き過ぎか、腰など痛し。 1月2日(日) 快晴 奈須君、健ちゃん連れて来た。賀状返70枚。 朝永振一郎さんの「鏡の中の世界」冬彦の世界との近似に驚いた。 1月3日(月) 寒気凛烈 空快晴 霜柱 ジョンと散歩、猫を目の敵に追い走る。 永らえて 献ぐべきいのち 感謝の初日影 森田良美君来る。賀状返30枚 朋之を連れて自由が丘 映画へ行く。彼の希望で兵隊、ヤクザものを観る。 レストラン・フジミで洋食(Mixed fry)にビール。喜んで帰った。 IIOE英文初校。 1月5日(水) そろばん(商業主義)は道義にのったものでなければならない。現代のもうけが手段を 択ばぬのが堕落腐敗のもとである。海洋汚染もその一つの証。 1月19日(水) 漁場講義、カツオ。 教授会、協議会。学長候補投票の件など。識見ある人物に乏しい観あり。平凡常識人たち無難 でよかろう。 1月20日(木) 11時に平野敏行氏と大水で会い、北洋(サケ・マス)座談会準備打合せ。藤田巌副会 長、水産海洋に余り好意的と言えぬ。警戒? 捕鯨協会賛助1口には返なし。秘密的になるとやれ なくなるだろう。(Pacific Fisherman 酒井… 日魯で中地氏… 官僚秘密は科学の世界ではよくない。結局、鎖国、独善。学問を踏みにじる。 行政・政治がその上に君臨しようという。 電子計算機・海洋調査の話、原稿2枚、「海の世界」3月号。4月号より3枚とのこと。 1月21日(金) 快晴 大寒 氷厚くはる 大学院 Physics of the marine atmosphere 風 シオメ slicks シオザカイ等講義。 この次、海況予報を。 午後、角川書店 新書の鈴木氏ら来。「海の四季」企画に応ぜず。「海の開拓者」の案を話す。 来年? 考えることになる。 卒論学生に発表打合せ。 夜、インド洋再校見て渡す。 NHK科学産業部久保田久文氏、「海の氷」台本持ってくる。(明日VTR) 1月22日(土) 早朝、学研依頼「海」校閲、赤字で直す。 犬を曳けず、孝子に頼む。 8:30からの講義を9:10から始める。学生帰りかけていた。 台風の残りをやる。竜巻、星のまたたき。 10:45 NHK迎え車で、11:30打合せ、リハーサル「海の氷」荏原中学15名。 問 氷山と海氷はどちらが塩分多いか。 問 海の氷は何度で凍るか。 2時終わる。(税引き9,000円貰う) 腹へる。4時帰宅。新聞切り抜きなど。 夕食 マグロのヌタ うまい。ウィスキー2はい。入浴、早寝。 源義経 ひよどり越え 悲劇の名将 真珠湾攻撃 山本五十六 悲劇の大将 共に奇襲 織田信長 桶狭間奇襲 最後本能寺で明智光秀の奇襲 日本人の運命、日本人の肯定は恐ろしい破滅を生む。 水産…漁場開発は日本人の得意とするところ 保存、維持、持久は不得意というより考えて実行の意欲に乏しい。
3月8日(火) 漁業科教授会 午後、水大教授会(卒業者決定) 海研へ急行。海洋学会評議員会出席。渋谷駅へ平野君とタクシー。 帰宅、食事。トランク持って上野へ。23時の急行寝台車に乗る。 3月9日(水) 夜行「新星」6時仙台着。やや眠い。東塩釜駅へ9時。天気よく暖。水研へ。 サンマ研究会。講演15分。 [ノートNo.65-2, pp.143-151] 夜、懇親会。藤永元作氏みえる。 宿、松島 仙松閣へ。(私大共済組合 1,300円) 眺望すこぶる佳。宿同室 石野(水大)、新谷(北水研) 3月10日(木) 英詩人ブランデンの詩碑 丘の上にある。松間 見晴らしよし。 松と日本人の心。 バスで水研へ海岸道路。逞しい東北の女(漁師のカミさんと2人の子供とバアサマ)。 イカの研究会、講演15分。 [ノートNo.65-2, pp.152-156] 夜、食前に山を下った。食堂で酒1献、生カキ、酢の物で。 土産品(埋木細工 ペン皿、絵葉書、ネクタイピンなど) 心みちて山をのぼる。 3月11日(金) 朝タクシー呼び駅へ。 昼、魚市場食堂でハヤシライス。所長室で旋網の人達と会う。 サバ討論会。講演15分。 [ノートNo.65-2, pp.157-162] 仙台駅でホヤと生カキ買う。 特急に乗り、6時発。9:30上野着。 車中で松島名酒「ほまれ」チビチビ、スルメ、笹かまぼこでやって。 3月14日(月) 午後1時〜2:30大学院最後の講義。桜餅・草餅をふるまう。 2:30〜5時漁業水大CSK協議(依田、宇田、佐々木幸康) 文部省へ返事の手紙案書く。 3月15日(火) 雨 3月雨続き。貯水ダム満水と。 原稿140枚CSK水産班を進正タイプ渡し。2週間内、4万円弱。 学術用語審議会へ。 IIOE reprint 5冊 パリ送る。ユネスコ国内委依頼。 3月16日(水) うぐいすの声を隣家森氏の方角から聞く。 午前10時〜12時 ユネスコ海洋分科会 午後1時〜3時 科技庁海洋 「海洋汚染」に通産省系役人が極めて妙な態度を知る。彼らは資本家を擁護し、その利益を守 る… 汚染を浄化する熱意に欠けている。丹羽幹事を通じ課長が小委設置に反対のことを知った。 4時過ぎ水大へ来て、遅くまで大西洋のIGY dataを図に入れて (Smin) 3月17日(木) ジョン尾をふり近づき噛まれぬ。耳たぶの先より血液たる。正にこれ一昨日韓国監 視船にラチされし、済州島付近共同水域日本漁船の姿。善意が悪意に敗る。 前田君(東大)水大にやって来た。Bruce Taft一家 上野毛へ来たので訪ねてみようということ になった。赤道反流域、大西洋Smin(1954-58) 0-10N 最も浅い。 赤道反流の成因と中層水上昇の関係は? K. Wyrtki手紙でIIOEのリスト聞いて来たので返事。 3月18日(金) 早朝6時前、我が家の梅にうぐいすの声。 車も通らぬ朝の梅の枝に来りて、啼く姿。ああ滅びゆく同族のうちにてそのチャンピオンとし て高啼くひと時。正義高潔の士は住み難き汚濁のこの世に。 教授会 蓮沼卒業承認。終わって漁業。 3月19日(土) 遅くまで一人残りてインド洋のUpwelling研究。 学に忠たらんには、内外諸会議の現実的なものから遠ざかるべし。 己の心に随って煩わされぬきれいな余生を。 3月20日(日) 6枚 黒潮最近の新事実 自由書房 「時事教養」 原稿 3月21日(月) 休み続き。沈丁花、今花盛り。桜蕾綻び、沸々咲き出す。心のどかに。 ただ少し心臓変になる。やはり一日でも長生きして学問を楽しめるように。余生を。 いやなことから遠ざかるべきだ。権勢、名誉、金銭、一般人間が皆欲しがるもの、そこに争い が生まれ、イヤなことが生まれる。 Marr会合の… comment 英文タイプ1頁つくる。 芽柳美し、白桃の花、赤椿大きく華やかに咲けり。連ぎょうも。黄なるカンザシ花を。 ああ世は春となる。されど哀れ、スモッグ、自動車排気ガスに気孔を塞がれ、樹木、草よ、 ああ河海濁りて油濁欲しいままに。…のエラブタも… 人間また亡びんとする? 3月22日(火) 午前水大へ来て大塚に頼み、CSK水産英文コメントコピー30作る。 午後水産庁、J.C.Marr、猪野、会合へ。 午後3時終えて晴海へ。小雨。ソ連船Orlik号(600トン)へ。 Leaderパリチエフ(TINRO) 菅原、庄司、増沢と船長に招かれウオッカ、カニ、イクラで。 4月24日ごろまた東京入港と。 3月23日(水) 午前大学院 口頭試問・面接。人事委に顔出してから午後1時科技庁へ。 Marrとの会合へ。和達座長、菅原ほか。 夕方より大水のMarr Reception 海上保安庁9階Sky Room Marr, 和達、菅原、庄司、増沢と一緒に、Hotel New OtaniのSky Roomへ。 春の大東京の夜景、ネオン点滅。9:30帰宅。 3月24日(木) 朝寒 午後暖に変わる。 ソ連Orlik出港。Marr, Seckles魚市場、東海区水研、猪野案内。 朝、研究費会計計算、やっと合う。 昼水大、CSK(水産面)校正、石野に頼む。 海研で海特委13:30-17:30 CSKモスコー行き。Biol. D.C. 元田提案。[ノートNo.65-2, p.141] 菊池寛の有名な小説「入れ札」を思い出した。日高退出後のあとの座長をやらされた。 これも生きている限り味わうべき塩だ。日高は依然最大・最有力なボスで、次が三宅? とにかくこれが現世向きの学者? 学へ決心の天機下る。
5月28日(土) 午前10:30内外航空へ支払い。 午後、学術会議地研連総会 東京を夜10:30発、日航機。アンカレッジ朝6-7℃ 「海に生きて」p.109 5月29日(日) 早朝6時コペンハーゲンSAS乗り換え、10時ストックホルムSAS 午後3時モスコー、税関マンマーデーで全く弱る。バス出ず、… ホテルセントラルへ6時ごろ着く。有賀氏同宿。夕食食えぬ。 「海に生きて」p.109 5月30日(月) 大学へ[第2回国際海洋学大会] Registration 「海に生きて」p.109 6月1日(水) 朝の講演 英国Longust-Higgins数理的抽象化の海流変動論。高遠の…難しくて良く 判らぬ。 「海に生きて」p.110 米国J. A. Knauss : ガルフストリームの輸送はよい講演だった。 日本 石橋雅義 海水中のいわゆる栄養塩元素を含む化学的元素の分布と規則性 米国 J. D. H. Strickland 原子番号を…初期における海洋食物連鎖 研究現状と将来 午後、海況の方聞き、discussion 夜6―9時 モスコー市内バスから。USSR農業機械博覧会見物。 遅く一人でホテル、夕食9−11時 ビールなど。 6月2日(木) 朝の講演 「海に生きて」p.111 英国 D. H. Cushing 「生産モデル」が内容充実して良かった。 ソ連 B. G. Bogorov 基礎生産とその食物連鎖中の利用 ルーマニア M. Bacesku 海洋動物分布 フランス J. M. Peres 底棲生物群集構造 昼ホテルに帰り、パスポート貰い、レニングラードticket受ける。 大学食堂で昼食。 午後は海況、水産海洋へ出席。 質問 ガルフストリームの蛇行。水深と魚の産卵予報。 日本大使館邸に招待受け、ご馳走頂く。日高、菅原、石橋、猿橋、杉村、宇田、星野、新野、 押手、桑野、三宅、大森、有賀、市村、佐々木、南日、岩田、渡辺 6月10日(金) 朝5時過ぎ起きる。少し眠い。 「海に生きて」pp.111-113 7時に荷物下げてホテル前に来ると、血相変えて飛んで来たホテルのメイドの太っちょオバさ んや何かに囲まれ、やいやいワメキ立てられる。英語で聞き返すが全然ロシヤ語以外判らぬ連中 である。結局、カナダのスチュワーノ教授がロシヤ語が判るので聞くと、ベッドカバーの金色の 布が紛失した泥棒の嫌疑を僕にかけていることが判り、トランクを開けて見せ、身体検査でもと 言うと、もう結構と去った。メイドが責任、ノルマを科せられている。サービス零の国営ホテル である。泊めてやっているのである。便所は壊れたら水出しっぱなし。粗末なままで、得がない からである。紙なくなって補充もなかなかされぬ。 バスを待たせたのが、又次々レーニン広場前のホテル2か所に寄り人を乗せ、ウクライナホテ ルに2−3時間余裕見てあり、空港に来てからも長時間待つ。非能率な国なので、時間をやたらか け、個人の自由、便利は無視している。ウレシクない。 モスコー→レニングラード飛行、昼過ぎ着。ホテルで部屋割り済んで、やっと食事。(Texasコ クレン君など朝食抜き) 午後見学、極地研究所。海水凍らす、氷の発達… Acad. Sc. USSR、動物博物館見学。帰り橋の上で写真撮り、はぐれ、歩くうち迷い、聞いて電 車に乗り換える。車掌いない。… 乗客管理式は珍しかった。人々は親切だった。 夕食もう始まっていた。 6月11日(土) レニングラード 観測船(海軍)見学。午前中かかる。船の写真、コケシを一人一人に くれる。午後、冬宮見学。市内見物。セントペテロ寺院(旧王宮) 「海に生きて」p.113 6月12日(日) 夏宮見学。深夜雷雨、モスコー帰着。 「海に生きて」p.113 ウクライナホテル。また長時間並ばし、ひと悶着。佐々木忠義と同室。 6月13日(月) 朝10時すぎ食事。室を個室(23階に)貰う。大変な手間かかり、ゴタゴタする。 午後漸く自由になり街へ。電車に乗りクレムリンへ。かわいいカナダの少女が助けてくれた。 古い寺院など覗く。帝室博物館は午後2:40位なのに閉めて入らせぬ。止む無く歩いて外へ出て、 タクシー拾い、ルブレー博物館。これは古い寺院のキリスト教古画が少しあるだけだった。帰り 路がまた大変。結局タクシー拾い、ウクライナホテルへ帰り、7時過ぎ佐々木と夕食。 「海に生きて」pp.113-117 6月14日(火) 朝6時に起こされる。7時タクシー来て空港へ。9時発、10時過ぎワルソー、プラ ークへ。ここで2時間の時差修正。パリ着は午後1時。ホテルDuquesne ユネスコへ。IOC WG Mutual Ass. … 出席。午前中から… 第1日 少し写り悪いが、段々判る。 6時室へ帰って、ゴロリとなると寝入り、目が覚めると夜10時半。慌てて外へ出て、遅い夕食。 12時帰ってくる。 「海に生きて」p.117 6月15日(水) 第2日 お昼は竹内能忠君と食事。 「海に生きて」p.117 ユネスコでReception 後、竹内夫妻に招待受け、明園(シナ料理)で夕食。竹内家に寄り、水一 杯頂いて帰る。バスはちょっと料金高い…地下鉄に乗る。大回りして帰る。 6月16日(木) 第3日 昼 タイ国(気象台長)の招待でフランスのセレンと3人で食事頂く。 (オペラ行ったが休み) この日に行事みな済んだ。(議長ハンフレー早く帰国のため) 夕方、白いサクレクール大寺院(内へ入る。) 「海に生きて」p.117 モンマルトルの夜景を味わう。ヨタモン多いようだ。カフェテリアで夕食。11時帰宿。 6月17日(金) 朝ユネスコへ寄る。秘書ドリさんなどに小さい贈り物。 街へ出る。コティ香水4個土産に買う。ベレー3個。 買い物済んで、パリ大学、自然博物館を訪ね、Prof. La Combeに会う。海洋物理の本。親切に 図書を町の書店に知らせ、3割引、65フラン。それと今一つdescriptive海洋学の本67フランの も買う。 「海に生きて」p.118 Budker, Postelに会う。 ここからRaymond Poinave通り、水産研究所訪。6時過ぎて大方帰っていたのに、電話連絡に より所長Furshine(魚学者)留守、3人の学者が迎えてくれ、内を見せ報告など頂く。親切に感謝。 8時、Postel家訪。アパート3階、きれい…。魚の絵のついたウチワを夫人に進呈、喜ばれる。 アフリカのマグロ海洋学研究者。PSCに来日の由。珍しい金具、彫刻、貝など小博物館みたいに きれいに飾る。ワイン、肉などご馳走。 10時過ぎ辞し、地下鉄で帰る。 6月18日(土) 朝片付けて、ユネスコに寄る。土曜休みでがっかり。雨 地下鉄でルーブル。セーヌ河畔も本屋しまっていた。ルーブルの中を覗く。絵葉書買い、大し て収穫もなし。時間つぶし。1時帰宿。 「海に生きて」p.118 ユネスコ大使館常駐代表曽田一等書記官、自動車で空港まで…。 3時発JAL 小谷正雄教授(阪大物理)、藤田良雄教授(東大天文)と同機となり、座った大成建設 (東工大出)の人と話して楽しくハンブルク、アンカレッジ経て。 6月19日(日) 午後5時東京着。計子、孝子迎えてくれた。日本の我が家の嬉しさ。サシミ、ビー ル久し振り。 6月20日(月) 犬久し振り曳く。くたびれが出た。11時また一寝入り。 2時半過ぎ水大へ挨拶。月給、ボーナス、計28万円貰う。 7時に椿山荘へ。松江吉行教授還暦祝賀会へ。菅原さんの車でご一緒に。 6月21日(火) 犬、大分元気になる。アジサイの花、ヒルガオ、畑のキュウリの花。 水大漁場(第4章)講義 6月22日(水) 水研 外国研修生に、Fish. Oceanogr. 第1回 (68,000円、2回分) 終わって、漁船研に寄る。横山所長、西村氏に会う。 有楽町よみうりへ挨拶。 社の車で水大へ。畠山久尚さん「気象と共に」を頂く。 6月23日(木) 第2日 1時、研修官金子氏に新橋駅へ。 午後水大で3時から大学院講義、二重シオ、急潮など。 6時帰る。クタビレ、早寝。
7月31日(日) 小牧君先週土曜帰京、2児と来。花火して庭明るく児らはづむ。 8月4日(木) 多摩川遠花火、音のみ、家高く見えず。 8月5日(金) 佐々木忠義 ニッカウィスキー 8月6日(土) アロハ着て、犬と歩む。姫百合にもモロコシの髪、まだ若し。 銀座……食べ歩き。読売深海作業船へ。末広、新野氏と会食、方針決定。 8月7日(日) 朝起きる時、眩暈。 午前中静臥。午後2時起きる。 執筆、水産防災。台風10号千葉沖にありて遅遅北東上。駿(河)・相(模)、高浪溺死夥し。 8月8日(月) 夾竹桃 今は盛りの 大暑かな 5時40分目覚めた。散歩。 午後渋谷、富士銀行へ。License貰う。農林省から水大へ。庶務へ渡す。 8月9日(火) 読売年鑑より9,700円受け取る。干天の慈雨。 8月10日(水) 姫百合咲けり。 ライフル銃を盗み出したる著者あわれ夏の宵 田中彰治という代議士つかまる。自民決算委員、恐喝・虚偽22億の財を蓄え、……河野一郎の 手先の一人。永田ラッパなど狢狸同穴の間、政財界の腐。 8月11日(木) 朝顔の花の数増す数え行く散歩みち。 夜テレビ、青鷹丸水中観測塔、サバ集魚灯、青ヶ島以南でカツオ、黒潮潮境北上せず。 黒沼説明。 8月21日(日) 朝より水大へ。講演準備。slidesを大塚君らに頼む。 Hotel New Japanを訪問。Pickard, Blackburnに会う。 chairman約束。 夜、Pickard, Blackburn夫妻招き、浅草仲見世、観音。…で鳥料理、4人で1万円かかる。 8月22日(月) 5時起床。菅原さんは欠席のため、渋谷から電車で8時武道館。 開会式。日本代表席へ。雨。終わって東大へバスで。スライドテスト。 石野、大塚とMarine Sciences Standing Com. Meetingあり。(M. B. Schaefer) 図書、地図、文献展示見る。 夜、朝永日本学術会議会長招待レセプション、椿山荘。 8月23日(火) 8:30 Symposium No.2 (僕convener) “Changes in the ocean, atmosphere, and marine resources with their prediction.” 第1日 chairman Prof. G. Pickard Prof. T. Bjerknes 欠席は残念。 午後congress symp. Water pollutionに出る。 夜Reception 東京都知事 Palace Hotelで。高橋と帰る。 8月24日(水) 第2日 8:30― 9時― Chairman G. Pickard 午後Congress Symp. 覗く。Robinson, Saur と食事。 天皇陛下お茶会へ計子と出席。 8月25日(木) 第3日 9時― 首相官邸Receptionへ計子と出席 8月26日(金) 第4日 午後 水産海洋、黒潮、CSK関係 この日、東大総長Reception 少し疲れたので、出ず、自宅へ。 8月27日(土) LaFond Convener のInstruments and research vessels 吉田耕造convener General dyn. Oceanogr. 昼 菅原、…夫妻と昼食 午後 Research Vessels exhibitで晴海埠頭へ。 Lomonsov(ソ), V……(ソ), Mary…(米), ふじ(日), 凌風(日) 菅原さんの車で一緒に帰る。 8月28日(日) 午後5時― 夫婦でTaft家に招かる。大勢なり。自由が丘で支那料理頂く。 8月29日(月) 12:30−14:00 赤門学士会館 日米で海洋会議 M. Robinson, 吉田ら 妻と米大使館Receptionに出席。和達さんの車で渋谷まで送らる。 8月30日(火) 部会 夜 … …の講演聞く。サケの回遊。 帰りは大村秀雄さんの車で送らる。 8月31日(水) 部会 Hela, 日高、菅原、吉田と昼食。 9月1日(木) 魚市場へ。Blackburnら3名案内。スシ食う。一同喜ぶ。 9月2日(金) 宇田、新野、末広、大場 16mm映画とスライドで、よみうり号報告 部会もこれで終了。 9月3日(土) PSC閉会式。フィナーレは寂しい。 午後水大へ寄る。吉田の室に寄る。吉田、永田、寺本とビール飲み、別れ、帰ると菅原宅でCSK 竹内送別の会ありで、午後8時駈けつける。 9月4日(日) 8:20新横浜こだま新幹線、名古屋11時着。丁度、marine park一行、田村剛博士、 岡田弥一郎博士らと一緒で。バスで犬山へ。午餐。午後1時 Symposium出席。 夕方、知事のReception スシ…。夜 鵜飼の火光 タイマツ、カガリを橋上より見て失礼し、 9:30津着。泊。 9月5日(月) 三重大集中講義。講義第1日 海洋学 歴史。 午後散歩。本買う。海軍主計大尉 小泉信吉、海軍 岩田豊雄、陸軍 火野葦平、数学をつく る人々I〜IV、外遊ケチョンケチョン(15版を重ねたが、後味悪い本、現代人の趣味の悪さー拝金、 詩情欠) すだく虫の音聞きて寝る。 9月6日(火) 第2日 午前 午後 いささか疲れる。 閉居 横臥 読書 昼寝。伊藤教授にアユ人工養殖の面白い話聞き、ウナギ池の珪藻利用、冬 越し、水温>12℃、餌が問題、5年かかった。昼夜休みなし。 宇野道夫君ウィスキー1本頂く。 9月7日(水) 第3日 昼食会に招かる。ウナギメシ食う。賢きイルカ君の話など。 夕方、野田君来。 9月8日(木) 第4日 藤田君と昼話。川尻さんにも会う。皆、黒沼学長には驚いている。 色黒き女学生たち健康。地蔵さんの赤よだれかけ、稲こき、取り入れの農夫婦、大谷町。 9月9日(金) 講義。昼、上野福三氏と飯田津地方気象台長来られ、蓬莱亭でご馳走になる。 午後、気象台へ見学。県庁水産訪。阿漕焼窯元訪。旅費共4万円貰った。ドルに回せる。 上野氏とウィスキー飲み、語る。夜、ノート検査。 9月10日(土) 芙蓉の花美しき朝なり。三重大講義 第6日 潮汐、波浪、漁海況予報 校庭の露草も可憐なり。午後、試験。採点終り。坂本市太郎氏来whisky。上野福三氏送らる。 午後5:50特急近鉄で、名古屋7時。兄の宅へ電話。地下鉄→東山の一つ手前。 話するうち兄帰宅。11:30寝る。兄と同室枕並べる。 9月11日(日) 9:50こだま新幹線乗車。東京駅。午後2時帰宅。 勝呂孝君、北洋のサケの包み持参。午前来訪の由、残念也。入浴、休息。 萩の花ぼつぼつ咲く。つくつく法師蝉啼く。声細るもわびし。 9月12日(月) 水産海洋座談会 14時―17:30 小牧勇蔵(東大農) 米国シアトルより帰り8mm 佐々木忠義博士(水大) ワシントン海洋工学会議 夕食を東京新聞食堂で幹事会兼ね8名。(小牧、門田共) さんま焼く 匂い夕べの 家々に 9月13日(火) 犬、乳母車。急に涼しくなりたり。 10−12時 大学院 湧昇論、Calif. Curr.(Longhurst) 13−14時 学部 漁場 漁礁 気象 試問 学部、大学院のを作成、石野に渡す。 九段上 インド大使館で待つこと1時間半、査証… それより、午後4:30海研へ、海洋学会幹事会に出る。菅原さんの車で帰る。 鈴虫の話やガチャガチャの話など。 9月14日(水) 犬、乳母車。快風。 渋谷 富士銀行でドルに円代える。イラン大使館へ午後3:30来いという。 旅券預け、ヨミウリへ、餞別 深海作業船、3万円頂く。助かる。車で水大へ。 全サンマ専務来、ソ連サンマ報2冊貸す。 教授会 黒沼勝造学長の下に開かる。3:30中座し、イラン大使館へ。査証貰う。 渋谷で買い物。6時帰宅。休息。新聞切り抜き等。 9月15日(木) 敬老の日 孤独に耐えかね富裕なる社長の母自殺。百数十人の子孫曾孫に囲まれ、 笑みを含む93歳の老媼もあり、101歳の老媼、銀杯下賜せらるるもあり。 室の片付け。午後水大へ。本橋君勉強中。IIOE Rept. 取り換える。Advances in Fisheries O. を 忘れた。夜、東平とビール、カツオのタタキ、支那料理、湯豆腐など。早寝。 9月16日(金) 午前6時起床。7時犬を曳いて菅原健氏にCSK Summary Rept. へのメモ、意見伝 達(10-12時会議欠席のため)。容子を乳母車に乗せ、例のごとく散歩。朝顔色とりどりに美しく咲 く。木槿、鳳仙花、紅花、木瓜の実成る。柘榴も実を結びたり。「うみ」(日仏)への原稿8枚。午 前10:40発タクシー。第2回国際海洋学会議へ。11:25羽田空港、手続き了、11:50待合室へ。12:50 発671JAL、1-2時間後、黒潮上か。terbulence揺れ激し。香港着。軽食。中国スチュワーデス白 いモモから割れた支那服が美しい。2時間、バンコック、3時間10分ニューデリー。案外暑くな かった。0:45テヘラン着。吉田多摩夫君と海兵で一緒だった原始キリスト教団伝道師の人と語っ た。 「海に生きて」p.119 9月17日(土) テヘランのPalace Hotel、600リアルが出る時は880リアルになっていた。Air conditionとか何とか理屈つけてボル気持ちは実に不快。イランはイカン国だ。雑踏甚だしいバザ ール、王宮(モスク風)、官庁に入りこむ。正にバグダッド、魔法の国、アラビアンナイトの国。古 代と近代の入り混じった国、英仏、自主民族主義で、面白い不可解の国、… 少し歩くうち、ノドがからからに乾く。高校(数学志望)という学生案内で考古博物館見物。メシ も食う所が無いには呆れた。(ケーキでコカコーラ何本飲んだ) 9月18日(日) ローマ空港6時着。着く前1-2時間えらく揺れた。前の席の西洋夫人酔いで嘔吐、 苦しみ騒ぐ。こちらはそれを眺め朝食パクつく。 バスで6時半ターミナル。7時頃電車でコロセウムまで乗り、早朝荷物を下げてホテルへ。風呂 入り、洗濯終えて、一寝入り。覚めると13時過ぎ。昼食は止めて外へ出る。カーで電車の所へ親 切に送ってくれた人がある。絵葉書2枚呈。ヴァチカン郵便局は休み。今日は安息日だ。大寺院に 入り、人群の中を宗教名画… 驟雨、止んで歩み。コカコーラ180リラは高い。天使城(博物館)も う閉まっていた。ブラブラ チベレ河畔の散歩道を行く。大きな寺院を覗く。敬虔な僧の少年たち。 おとなしく祈りを献げた。果物入りのケーキ288L、アイスクリーム100L買って電車で帰る。 夕食時、隣の英国スコットランドの若いアバデン大…の法学士とフィアンセの瞳の美しい(イタ リア娘?)、歴史を学ぶ女学生と話するうち、横に日本人夫婦、娘二人連れが居て、男は下向いてウ ナだれている。声かけると、意外にも水大2回卒の横山シゲキ(茂樹)氏(GETRO冷凍検査協会) コロセオを見物中、10分間目を放したら、カーと衣類、パスポート… 雲隠れ。警察に届けたが、 日本大使館(日曜)冷淡。同情にたえず。奈須敬二親友。 横山氏に20$小づかいに差し上げようとしたが辞退さる。娘さんに人形、サイフ、絵葉書、慰 問にあげる。7歳と3歳とか聞いた。 「海に生きて」p.120 夕方帰ったら、もう引き払っていた。ベニスへ帰ったのだろう。 9月19日(月) 朝食、同宿の米沢邦男氏(FAO Sp. Fund)と一緒にFAOの水産新館へ。Ruivo, Holt に会う。山中一郎(セクレタリ), Howard, Eggvin, Ramster, Verplegh揃う。Hempel(ユネスコ) は来ない。米沢も傍聴。昼メシ山中、米沢と。 食後、池畔散歩、ぐるりと一周、美しい。人工的庭園。 「海に生きて」pp.120-121 Discussion 午後、大分調子出た。午後5:30終了。(Fishermen’s chart) 驟雨、メトロまでのタクシーが役に立たぬ。コロセオから歩く頃大方止んだ。夜は早寝8:30 9月20日(火) 第2日 昼食 Jackson水産局長, Holt, Ruivo, 山中、5名、近くのレストランで。 夕食時、Venice駐在、横山氏(ジェトロ冷凍)カーで家族連れで来て、コロセウム見物中10分の 隙にカーごと財産(トランク2個、衣類等、パスポート、1400ドル入り)を盗まれ、落胆を知り、 慰める。 「海に生きて」p.121 9月21日(水) 第3日 勧告案作成。昼食、山中一郎宅に米沢と呼ばれる。「海に生きて」p.121 9月22日(木) Howardと一緒にH. Rosaに招かれ、海浜空港付近新居で晩餐。松の公園、故宮を 見、地中海を見て、FAO人夫妻かなり多勢集まる。奥さん連、結構芸妓役をする。11時半ホテル に送らる。 「海に生きて」p.121 9月23日(金) 最終日 勧告案次々出来上がる。午後freeになる。買い物。「海に生きて」p.121 9月24日(土) 8:30科学学士院で院長Calioti博士に面会。「よみうり号」の説明、伊海特委メン バー協議、返事10月末。日本側検討返。クリスマス前、カリオチ一行3下―4上(又は6月頃)来 日? 急行ナポリ行8:30―12:30着。水族館、海洋動物研、パカード博士と地質学者と会う。会食(ゲ ストになる)。終わって、ナポリ国立博物館4時まで見学。街の散歩、買い物、疲れて電車駅。 7:40→9:40ローマ着。10:30宿へ。 「海に生きて」p.121 9月25日(日) 8時宿引き払い駅へ。買い物、手紙書き、12:30空港。13:40発JAL カイロ、テヘラン 「海に生きて」p.121 9月26日(月) ニューデリー朝着。出迎え受け、National Sports Club of Indiaへ。ひと眠り。 午後、差し向けの車でNational Marine Inst.のDirectorのN. K. Panikker博士に会う。300 ルピー頂く(40$位)。好意謝すべし。(コチン→ボンベイ40$位?) 研究所へ。Data Center所長 の案内で旧市内見物。 「海に生きて」pp.121-122 9月27日(火) 研究所で話。NSCIで昼食。午後、市内見物、買い物。「海に生きて」p.122 夜、パニカー氏に伴われ、リセプション。元ネール首相官邸。ネール愛娘ガンジー夫人現首相 や副大統領見える。ユネスコのネール新思想討論会。あとパニカー邸で晩餐頂く。 9月28日(水) 朝発。8:40ニューデリー→インド航空 ボンベイ11時着。 午後ボンベイ発、4時頃コチン着。ココナツ椰子美しい。Dr.Edward Brinton, Dr. Quasim迎え られる。Grand Hotelへ。 夜、ブリントン邸にて晩餐。ご馳走になる。雨。 「海に生きて」p.122 9月29日(木) 昼食。講演「水産海洋学」1時間半。スライド用意したが良かった。聴衆多数。 夜、Dr. Quasim邸にてご馳走になる。 「海に生きて」p.122 9月30日(金) 腹具合悪く、朝食を抜く。(グレープジュース、コーヒーのみ) 魚菜市場見物、ハローと黒汚いのに盛んに呼び掛けられ、気持ちが悪い。小魚多く、種類少な い。田芋やバナナなどが多い。9時、Prasadに会う。Konch号で湾を巡り、アラビア海の波浪、 四手網群、投げ網、釣小舟見る。中央漁業技術、漁船、機械材料研訪。 昼食。Dr. グアン家にてご馳走になる。 「海に生きて」pp.122-123 講演1時間半。漁海況予報組織。Oil sardine, prawn, Indian mackerelの変動。 ホテル勘定35×2=70のはずが、83になっていた。3人もゾロゾロ手の平を出す。 とうとう絹雨傘を取られた(正確には彼らに与えた)。空港までDr. Brintonと子供4人、 Dr. Quasimに送らる。日本人の往来大変多い。工業家たちの進出振りにはただ呆れるのみだ。 6:45発、途中雷雲で揺れる。10時ボンベイ、空港、ホテル泊。 10月1日(土) 午前6:40ボンベイ発、Swiss Air. バンコック、香港、夜10時着京。 「海に生きて」p.123 10月2日(日) 自宅 教会 10月3日(月) 水大へ。読売へ。自宅。 夜、汽車急行8:40→金沢行(1等寝台) 末広、金子同行。 10月4日(火) 朝金沢。穴水、能登小木 百楽荘。 昼食時、よみうり号、卓成丸訪。四方海谷、百数十mシラエビ、260m深 ズワイガニ、 ブロックにからまる漁網。 夜、賑やかに末広、金子、大場、よみうり高岡支社2名、宴会 10月5日(水) 風波。午前8時出港。金沢大学名誉教授熊野博士(海洋生物学)、カメラマン参加。 大ナマコなど。 午後、乗船は風出て、ウネリで中止。下りウナギ実験用河北湾より取り寄せ、それをイケスに。 撮影用…購入で宇出津、県水試へ。金沢大臨海実験所、百楽荘イケス見て、…県取締船とき… 夜、末広氏に酒ご馳走になる。
12月28日(水) 日鰹連へ、増田正一氏に会う(3万円)。新橋ビル、家坂孝平函館公海1.5万受。 北海道漁業、尾崎順三郎・幸田洋三(1.5万円)。 水大へ。大掃除。午後、… …。五反田を経て帰る。 12月29日(木) 水大、大福餅・お萩、買って行く。蓮沼、木原、木谷、大塚。 帰り五反田へ。 12月30日(金) くじいた足、なお痛し。門田定美君来。 4時頃家を出る。賀状50位出す。 増沢譲太郎に招かる。平野敏行同座。忙しない歳晩風景、タクシー求め難し。 12月31日(土) やや暖。室の片付け。年賀状50枚ばかり出す。 かくて暮れて行く年か? 菅原健さん蛸下げ来らる。令嬢新車…。 九品仏駅角、伊藤の意地悪婆さん、切手も売ってくれぬ。日記帳買ってくる。 奈須君兄弟、日向のウルメ送り来る。 大晦日、紅白合戦のさんざめき、かたへに聞きつつ風呂に入り、早く床につく。 老いたるかな吾。
手帳の最後に書いてあった俳句 いつまでも 生きるか知らね 蝉の雨 木瓜の実を 朝の門に 人涼し
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