西洋古地図

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9.Carte du Grand Océan ou Mer du Sud : dressée pour la relation du voyage de découvertes faites par les frégates françaises la Boussole et l'Astrolabe dans les années 1785, 86, 87 et 88(1785年、86年、87年、88年に恒星観測機と羅針盤を積んだフランスのフリゲート艦によってなされた発見航海報告書のために作成された大洋あるいは南の海の地図)

書誌事項

  • TR :Carte du Grand Océan ou Mer du Sud : dressée pour la relation du voyage de découvertes faites par les frégates françaises la Boussole et l'Astrolabe dans les années 1785, 86, 87 et 88
  • PUB :[Paris : s.n. , 17--?]
  • PHYS : 1 map ; 54 x 73 cm
  • NOTE: Lower left-hand corner: P.F. Tardieu sculp
  • NOTE: Map of the Pacific Ocean showing the tracks of the French frigates, Boussole and Astrolabe
  • NOTE: Plate no. 3 from: Atlas du voyage de La Perouse
  • AL: *La Pérouse, Jean-François de Galaup, comte de, 1741-1788 <DA02067498> [AU10020277]
  • AL: Tardieu, P. F. (Pierre François), 1757-1822

所蔵

  • 東京海洋大学附属図書館越中島分館
  • 請求記号: 558.7/L31
  • 資料番号: 2010523245

解説

これは、フリゲート艦に恒星観測機と羅針盤を積んで、1785年8月1日にブレスト港を出発し、世界周航を行い、途上のオーストラリアのポートジャクソン付近で、1788年2月の最後の手紙ののち、行方不明となったフランスの航海者ラ・ペルーズ(1741-1788)伯爵の記録をもとに、世界周航のあとを地図上で再現したものである。地図自体は、ラ・ペルーズの航海後の知見を盛り込んでいるので、19世紀の作と思われる。クック海峡でニュージーランドが区切られているところから、イギリスからの情報も盛り込まれている。太平洋の呼称が曖昧であるのは、18世紀までの呼び名が19世紀半ばにもまだ通用していたことを示す。地図で気になるのは、オーストラリアがあいかわらず南極大陸と切れているという認識がないことである。さらに、ニューギニア島の東半分がオーストラリアとの境がぼやかされていることである。これらは、周知のように、18世紀の地図に共通している点である。ただし、地図5の作者でもある水路部技師リゴベール・ボンヌが1770年ころに書いた世界地図では、ここのところは、はっきりと現代のようにわかれている。だから、地図の方は、ニュージーランドのクック海峡発見以後のものではあるけれども、南極とニューギニアについては、ぼやかした18世紀末のフランスで作成された地図と思われる。なお、この地図は、1831年にパリで刊行された『ラ・ペルーズ航海記』に付録そして掲載されたものと思われる。


補足
タスマンは17世紀の航海者だが、なぜかタスマニアが地図にはっきり現れるのは、1814年のことで、マシュー・フリンダーズMatthew Flinders(1774-1814)が1798-99年にタスマニア島を航海してからのようである。しかし、そのときにも、なぜかニューギニアの東半分とオーストラリアの東北部分は曖昧な描き方のままである。東北部分の珊瑚海(Coral Sea)、ヨーク岬(Cap of York)トーレス海峡(Torres Strait)が観測されたのは、19世紀末近くの話である。それまでは、この部分は最後まで、テルラ・イグノータterra ignota(知られざる大地)だった。地図中、朱の部分は、海岸線を強調するために誰かが補足的に入れたもので、よくあることである。

(文:大津眞作)